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2022.06.25 (Sat)  13:08

社員コラムを更新しました

2022.6  社員コラム

 昨今河川や海の汚染物質として話題となっているマイクロプラスチック。プラスチック自体が有毒な性質とはいえませんが、その表面には細かな凹凸があり、有害な化学物質を吸着しやすい性質を持っています。またプラスチック自体にも添加剤が使用されており、その添加剤には人体に悪影響を与える成分もあります。

マイクロプラスチック問題については、プラスチック容器を使用する、また販売もしている立場として気になっていました。ただ、使用済みのプラスチックの行方を考えたとき、正しい処理ルートを通ればリサイクルや焼却処分に回されるはずです。そのため不法投棄されたプラスチックが風化して汚染原因となっているのだろう、ポイ捨てさえしなければ自分がこの件において直接的な加害者になることはないだろうと漠然と考えていました。

 そのようにプラスチックごみと結び付けてしか考えていなかったので、化学繊維の衣類を洗濯した際の排水にマイクロプラスチックが多く含まれると知った際には驚きました。自分も毎日の洗濯でマイクロプラスチックを下水に流していることになります。また食器洗いや掃除にスポンジを使うときにもマイクロプラスチックは発生しているようです。スポンジの代替品は今のところ思いつきませんが、化学繊維の服は今後選べる場面では避けようと思いました。

 そしてつい最近知ってまたショックを受けたのですが、河川や海への主な流入源となるのが自動車タイヤの摩耗カスであることが明らかになっているようです。平均的な自動車タイヤはその寿命中に4kgのマイクロプラスチックを排出し、毎年20万トン以上のマイクロプラスチックが道路から海に流れていると言われています。会社の玄関外や家のベランダを掃いた時に集まる黒い砂の正体はタイヤだったのか、と合点がいきました。今後、自動車が電化していく流れが予想されますが、自動車の電化はタイヤのマイクロプラスチック問題をより悪化させると考えられます。電気自動車はガソリン自動車よりも車体が重く、タイヤの摩耗が激しくなると予想されるからです。

タイヤのマイクロプラスチックのうち、大きなプラスチック粒子は発生源の近くに留まっていると言われています。しかし、2.5μm以下の小さなマイクロプラスチックは、遠隔地に運ばれていることが分かってきました。近年、北極圏で小さなプラスチック片が雪に混じって降っていることが研究で明らかになっています。1リットルの雪から1万個以上のプラスチック片が発見されているとも。人間がほとんど立ち入らないような地域もすでにマイクロプラスチックが沢山存在しているということになります。都市部ともなればどれほどのものでしょうか。日々気づかないうちにマイクロプラスチックを体に取り込んでいるのでしょう。引き続き微々たる力にしかならなかったとしても、自分の生活の中でできることを考えていきたいと思いました。

 

 

大崎